「安達としまむら」を読んだ

 

2, 3年ほど前にこの本のコミカライズをちょっと読んだことがあった.

今期現在進行形でアニメをやっている,「やがて君になる」もちょうど同時期に連載されていた.

両方とも数話分読んで,「わたしは安達としまむらのほうが好きだな,いつかせっかくなら原作の小説を読みたい」と思って,ずっとAmazonほしい物リストに入れていた.

今月は本を買わないぞと思っていたけれど,Amazonが偶然セールを始めたのでつい全巻買ってしまった.

 

コミカライズで読んだ内容はほとんど覚えていなかったので,「女子高生が友情できゃっきゃしているのがめっちゃ百合!」みたいな雰囲気百合かと思ったら,完全に恋してて本物の百合だった.

最近,わたしも友人と恋人はどう違うんだろうと考えることが多かったから,安達がしまむらとの関係を悩んでいるのはぴったり合っていて分かりやすかった.

安達はしまむらとの関係に悩んでいるけれど,それは恋愛感情に近い激しい情動があるからではなく,しまむらにしてほしいことやしまむらとしたいことがあって,そういうことをするのは友人ではなく恋人なのでは?という行動ベースで悩んでいるのがわたしにはとても分かりやすかった.

正直,「この人にとって特別な人になりたい」は恋人じゃなくても,むしろ友人より関係が薄くても,稀によくある気持ちだとわたしは思う.

ただ,「普通の休みに遊びに行くのは変じゃないけど、クリスマスに一緒に出かけるのはおかしい。それが友達だと思う。でも私は、クリスマスにしまむらと出かけることができたらと思ってしまう。」という部分を読んで,一般論としてクリスマスは恋人がいるなら恋人とロマンチックに過ごしそうだし,恋人がいないなら高校生だと家族と過ごすだろうからとても分かりやすい指標だと感じた.

もちろん,クリスマスに友人と出かけることだってある.あるけど,クリスマスという特別な日に出かけたことを相手に意識してほしいって願ったらもう一線を超えているんじゃないかと思った.

対等な恋人じゃなくて,自分を甘やかして優しくしてくれる親や家族のような,都合のいい存在がほしいだけではないのかと悩むのも分かる.

今ではわたしはそういう形の恋愛関係もあるだろう,というか恋人同士でしたいこととされたいことが合致すればいいということになってますますそれは恋愛なのか?と思うこともあるけれど.

そんなこんなな安達に比べてしまむらはドライだから,2巻以降でどんなふうにしまむらの気持ちが揺れ動くのかとても期待している.

わたしも別れ際が苦手だからしまむらを見習いたい.